「敗者のゲーム」の概念は、競争や意思決定が難しく、予測が困難な状況において、プレイヤーが短期的な利益を追求することで、長期的な成功を妨げてしまう状況を指します。
投資もこの概念に当てはまる場面があります。以下に、長期間の投資でベストな日を逃すことがなぜ大きな損失の原因となる可能性があるかについて説明します。
- 「敗者のゲーム」の概要:
- 投資での資産形成を目指す人や、投資の正しい知識を求める人に最適。
- 1985年の初版から40年近く読み続けられている。
- 「敗者のゲーム」の8つのポイント:
- 投資方針をしっかり定める。
- 自分の性格やリスク許容度を知る。
- 市場の動きを理解する。
- インデックス投資がおすすめ。
- お金を貯めることから始める。
- 長期運用を推奨。
- 分散投資を推奨。
- 気まぐれな市場に惑わされず、失敗を避ける。
市場タイミングの難しさ
市場の値動きは予測が難しく、短期的な変動はランダムであることが多いです。長期間の投資を行う場合、市場の上昇や下落のタイミングを正確に予測することは非常に難しいです。投資家がベストな日を見極めることは、まるでギャンブルのようなものであり、成功する確率は低いです。
- 過去72年間のデータ:
- ベストの5日を逃すと、配当再投資をしていない場合、複利で50%の損失が生じる。
- これは、市場の数日間の動きが長期のリターンに大きな影響を及ぼすことを示しています。
- 過去112年間のデータ:
- 10日間のベストな日を逃すと、利益の3分の2を失う。
- これも、市場の短期間の動きが長期のリターンに大きな影響を及ぼすことを示しています。
この情報は、市場のタイミングを正確に予測するのは非常に難しいこと、そして市場から離れることのリスクを示しています。一般的に、長期的な投資戦略を持ち、市場から離れずに投資を続けることが推奨されます。市場の短期的な動きに反応して取引を頻繁に行うのではなく、長期的な視点での投資が重要です。
ここで、S&P500のチャートを使って確認してみましょう。
例えば、このS&P500のチャート、コロナショックと言われる株式相場の暴落で株価は、たった30日間で約35%ほど暴落しました。ここで資産が減るのが苦痛で株式を売却してしまった人は多いでしょう。
しかし、そのあと約645日間かけて株式相場は上昇し、暴落時の最安値から約120%程度上昇しています。
こうなることはプロでも読むことが難しいです。
いかに売買タイミングをみて投資判断をすることが難しいことがわかります。
逆に言えば、暴落時でもコツコツと株式投資を続けていれば資金を大きく増やせたタイミングだったと言えます。
- 情報過多と情報の信頼性: 投資に関する情報は膨大であり、それを適切に評価することは容易ではありません。さらに、情報の正確性や信頼性にも疑問が生じることがあります。ベストな日を見極めるために必要な情報を正確に集め、分析し、それを適切に評価することは、非常に困難な作業です。
- 感情的な判断: 市場の変動や投資の結果に対して、投資家は感情的になることがあります。価格が急騰した際には買いの判断を急ぐかもしれず、逆に価格が急落した際には売りの判断を急ぐかもしれません。これにより、短期的な感情に振り回され、長期的な戦略を妨げることがあります。
- 取引コストと税金: 頻繁な取引は取引コスト(手数料やスプレッドなど)や税金を引き起こします。これにより、短期的な取引が長期的な投資利益を削ることがあります。また、売買の際に得られた利益には税金がかかることも忘れてはなりません。
- 過度の焦点: ベストな日を見極めるために過度の焦点を当てることは、本来の長期的な投資戦略から注意をそらす可能性があります。結果として、市場のノイズに左右されることがあり、投資家の判断を歪めることがあります。
これらの理由から、長期的な投資においては、市場の短期的な変動に振り回されず、長期的な成果を追求することが重要です。ベストな日を逃すことが大きな損失の原因となる可能性があるため、定期的かつ堅実な投資戦略を保持し、感情に左右されずに投資を進めることが成功への道だと言えるでしょう。
最後まで、読んでいただきありがとうございます。
このブログでは『海外でスローライフ』をメインテーマとしてアウトプットしていきます。
記事内容が良かった!と思っていただけましたら、下記の応援ボタンと友人や家族にシェアしていただけると幸いです。